あとがき


 サイト8周年リク「コ志」と「志保さんに言わせたいセリフ〜ありがとう」にお応えさせて頂きました。

 原作での9年ぶりとなる志保さん復活の際の物語です。当初はテントの中での会話だけになるはずだったのですが、あっさりと流されてしまった部分は自分で妄想して補うしかない!という事で「コナンサイド」「志保サイド」とそれぞれについて書いているうちに気が付けば三編構成になっていました。「コ志」というには恋愛要素がないどころか互いにすれ違う二人の物語ですね。
 それでは以下それぞれの作品についてです。


1.月明かり


 まずは「志保サイド」から。哀ちゃんにとって探偵団の子供達の存在はとても大きなものとして描かれています。映画『天国へのカウントダウン』で彼らのために死のうとした哀ちゃんですが、探偵団の子供達と過ごす事で少しずつ変わって来ているんだろうと思います。その後、ベルツリー号事件で哀ちゃんは再び同じ決断を迫られる訳ですが、その話へのエピローグもかねてキャンプ場に一人残った志保さんの気持ちを書いてみたかったのです。


2.夜明かり


 続いては「コナンサイド」です。今回の事件では残念ながら活躍のなかったコナンですが、彼としてはやはり悔しかったのではないかと思います(そうあって欲しいのですが)
 原作が進むにつれ江戸川コナンの周囲の人達も彼との関係もどんどん変化していますが、コナンもその事に戸惑っているのかもしれない……そんな思いから生まれた話です。もう一つ、哀ちゃんと自分の考えがすれ違っている事に気付きながらも向き合えずに悩む彼が書きたかったのですが、どうもただのヘタレになってしまったような気が……(苦笑)


3.時明かり


 ようやく本編といいますかテントの中での二人の話です。「蘭がよくやっているコナンを膝に抱くというシチュエーションを志保さんにもやって欲しい!」という私の願望からスタートしたのですが、なぜか完成したのはドシリアスな話だったという……
 18巻での登場から終始哀ちゃんを「灰原」と呼んでいるコナンですが、コナンにとって哀ちゃんの「工藤君」呼びが大切なように哀ちゃんにとっても「灰原」呼びは大きな意味を持つんじゃないかな……そんな思いから出来上がったエピソードです。個人的に互いをどう呼ぶかという話が大好きなんですね。
 リクの「ありがとう」は「素直な笑顔Ver.」と「照れ隠しぶっきらぼうVer.」の二つを頂いたのですが、今回は前者で書かせていただきました。後者はまたの機会という事でお願いします。