タイムカプセル



 真っ青な空を轟音とともに一筋の尾を引きながら大きな飛行機が横切って行く。
 港の側の公園で手すりにもたれ、海の向こうに消えて行く飛行機を眺めているのは黒縁眼鏡の奥の理知的な瞳が印象的な男だった。年齢は40歳前後だろうか。
 男はジャケットのポケットから煙草と懐中時計を取り出した。時間を確認すると午後2時を少し回ったところ。もうすぐ一人の少女がこの場所へやって来る事になっている。確か彼女は煙草を吸わなかったはずだと思い出し、男は再びポケットに煙草を納めた。
 「……工藤君のお父さん」
 戸惑いがちにかけられた声に振り向くと、春の穏やかな風になびく赤みがかった茶髪が印象的な少女が立っていた。
 「一度ゆっくり君と話をしたいと思っていたんだ。『哀君』と呼ばせてもらっていいかな?」
 にっこり笑って手を差し出せば、哀は小さな手で握り返した。
 「私も工藤君のご家族ときちんとお話をしなければ……とずっと思っていましたから」
 小さく、しかしはっきりとそう答える哀の真っ直ぐな視線に10年以上前の出来事が優作の脳裏に鮮やかに蘇る。
 「すまないが最初に一つお願いがあるんだが……」
 厳格さを繕ってそう言えば哀は緊張した面持ちで頷いた。
 「私の事は『優作』と呼んでもらえないかな?確かに新一は私の息子だが、君のような美しいお嬢さんには名前で呼ばれたいからね」
 あまりに予想外の台詞にあっけに取られている哀に悪戯っぽく片目を瞑ってみせると、つられて哀も小さく笑った。その笑顔は陽光に融けるようで、優作は改めてこの少女とこの場所で会っている事に深い感慨を覚えずにはいられなかった。


 海の見えるベンチへと移動した二人は、しばらくの間、互いに言葉を探すかのように黙って波が春の光を受けて煌めく様を見つめていた。
 優作がふらりと阿笠邸を訪れ、哀に学校が終わったらこの港の公園に来るように告げたのは今朝の事だった。哀は優作が自分をこの場所に呼び出した真意を未だ測りかねていた。
 解毒剤が完成したという連絡を受けて工藤夫婦が帰国したのは三日前。組織を壊滅させ、不眠不休の研究でようやく哀が解毒剤を完成させた次の日の事だ。報告を受けるや否や飛行機に飛び乗った両親の事をコナンが苦笑交じりに話してくれた時、『工藤新一』の復活を待ち望んでいる人の存在を痛感し、哀は改めて解毒剤の完成に安堵した。同時に自らの作った薬が引き起こした罪の意識に押し潰されそうになった。
 しかし、帰国してから『江戸川コナン』の存在を抹消する準備に追われながらも、暇を見付けては阿笠邸に出入りする工藤夫婦がAPTXの話題を持ち出す事は無かった。夫妻のそんな様子は彼らの息子を死の危険に晒した事への非難はおろか、加害者たる哀が作った解毒剤の安全性に疑問すら持っていないように見えて、優作達から何と責められようと当然だと思っていた哀はただ困惑するしかなかった。
 優作の真意がどんなものであれ、薬の開発者としてできる限り真摯な態度で接するしかないと覚悟を決めていたものの、自分からはなかなか話を切り出せずに所在無く視線を彷徨わせていると、少し前方を歩く幼い姉妹が目に入った。自分達も親子に見られているかもしれないなどと我ながら埒も無い思考に哀が心の中で苦笑した時、優作が口を開いた。
 「仲の良さそうな姉妹だね」
 その呟きに何と答えて良いか分からず、哀は優作の横顔をそっと窺った。同じ姉妹を見ているであろう瞳はその姿に何か別のものを重ねているように見えた。
 「もう15年くらい前になるかな。ここで仲の良い姉妹に会った事があってね」
 「え…?」
 そこで言葉を切ると優作は哀の方に顔を向けた。視線がぶつかった瞬間、哀は不思議な既視感に捉われた。
 ――以前、この場所でこの漆黒の瞳を見上げた事があるような……
 コナンに良く似た顔立ちの、コナンより深い黒い瞳の真剣な光に遠い日の記憶を辿ろうとしたその時、フッと表情を緩めた優作が海に向き直って呟いた。
 「少し私の昔話に付き合ってくれないかな?」
 「……はい」
 とりあえず会話が進行する事に安堵した哀は暖かな風に乗って飛び立っていく海鳥を視線で追った。穏やかな優作の声に先程まで抱いていた緊張が次第にほぐれていく事に彼女自身気付いていなかった。


 新進気鋭という謳い文句がベストセラー作家という称号に代わって数年が経過した。
 一昔前の自分に言わせれば贅沢の一言に尽きるだろうが、最近の著書の発行部数に比例して増加する原稿の依頼と締め切りの数に工藤優作は少々うんざりしていた。「書斎の前に陣取り、『締め切り』『締め切り』と異口同音に繰り返す編集者を煙に巻いて家を抜け出すのがすっかり楽しみになってしまった」と、先程書き上がった原稿に記したあとがきを思い出し、思わず苦笑する。
 その一方、逃亡ルートの策定以上に益々楽しみになっているのが書斎に残した逃亡先のヒントを元に自分を探し出す息子、新一の存在だった。推理作家のご多分に漏れず、自分の創造した謎に誰かが挑戦する様子を傍観する事が何よりの楽しみである優作が逃亡先を暗号やトリックとして残すようになったのは軽い悪戯心からだったが、それをいつの頃からか新一が解くようになっていた。ようやく3歳になったばかりだという息子の非凡な推理力に驚きつつも、多くの父親が息子とのキャッチボールを楽しむように優作は新一との推理ゲームを楽しんでいた。
 腕時計を見ると午後2時を回った辺り。そろそろ新一がこの場所を突き止める頃だろう。自宅からの移動距離を考えると、あと一時間もすれば有希子が運転するスポーツカーに乗って自分を迎えに来るはずだ。
 「一度フォックスハンティングでもさせてみようかな?」
 そろそろ推理に身体を使う事を教えるのも良いかもしれない。父親の英才教育のせいか、既に立派なシャーロキアンの新一だが、その方向性は自分とは随分違うようだ。同じ目標でもホームズのような事件を創り出したい自分とは違い、新一はどうやらホームズになりたいらしい。果たしていつか自分の創造した探偵達を超えるような名探偵になるのだろうか…?
 「キャッ!」
 海岸線を上手く利用した公園のベンチで海を眺めながらそんな事を考えていた優作は、小さな女の子の悲鳴にその方向に視線を向けた。状況から推察するに、眠っていた大型犬の頭を女の子が撫でようとした拍子に犬が起きてしまったようだ。女の子は姉だろうか、10歳くらいの少女の背後に回って犬から身を隠そうと必死になっている。
 「大丈夫よ、志保」
 背中にピッタリとくっつかれ、身動きが取れなくなってしまった少女の言葉に志保と呼ばれた女の子は小さく首を振って更にギュッとしがみついた。
 「志保、これじゃお姉ちゃんが動けないよ」
 困ったように妹を見る姉。その様子を見ていた優作はそっと大型犬に近付くと、ゆっくりとその頭を撫でた。
 「大丈夫だよ、大人しい犬のようだ」
 ニッコリ笑う優作に安心したのか、少女が妹に優しく語りかける。
 「ほら志保、大丈夫だって。私達も撫でてみよう」
 その言葉に頷いて恐る恐る近寄った志保が頭を撫でると、犬は気持ち良さそうに目を細めた。それを見て嬉しそうに微笑む志保に今度は「良かったね」と少女が志保の頭を優しく撫でた。
 

 しばらく犬と遊んだ後、優作は姉妹をベンチに誘った。明美と名乗った黒髪が印象的な少女は大きな目をクルクルと動かし、色々な事を優作に話しかけて来た。赤みがかった茶髪が印象的な妹の志保は人見知りする性格なのか、姉の影に隠れるようにしてジッとこちらを見つめている。全く対称的な姉妹だが、互いに大切に想い合っている様子は十分に見て取れた。買ってきた缶ジュースを渡した時、声を揃えて「ありがとう」と言う姿が微笑ましい。
 「おじさん、一人なの?」
 ジュースを一口飲むと明美が優作の周囲をキョロキョロと見回した。
 「いや、もうすぐ妻と息子が来るよ」
 「良かった、家族がいるなら寂しくないね」
 ニッコリと本当に嬉しそうにそう話す明美はどうやら自分を心配してくれていたらしい。そんな優しさに優作の心が温かくなる。
 「君達は遊びに来たのかい?」
 「ううん、二人で飛行機を見に来たの」
 そう言って明美が空を見上げると、先程飛んで行った飛行機が残した一筋の雲が海の向こうまで続いている。
 「ねえ、おじさん、飛行機に乗った事ある?」
 「ああ、何度か乗った事があるよ」
 「アメリカに行った事は?」
 「実はこの前、行って来たばかりなんだ」
 最近、ミステリー作家として海外でも一定の評価を受け始めた優作は外国の出版社と仕事する機会も増えていた。そんな事もあり、新一がもう少し大きくなったら活動の拠点をロスに移そうと考え始めている。もっとも、そんな事を幼い明美に言っても分からないだろうが。
 「ねえ、アメリカって良い所?住んでも危なくない?」
 「明美君はアメリカに住んでみたいのかな?」
 「そういう訳じゃないんだけど……」
 急に身を乗り出す様子に少々面食らって優作が尋ね返すと、明美は何故か言葉を飲み込んでしまった。
 「残念ながら私はまだ住んだ事はないが、きっと良い所だと思うよ」
 「そう…優しい人が多いといいんだけど……」
 志保の肩を抱き寄せて心配そうに呟く明美に志保が「私は平気だよ、お姉ちゃん」と気丈な笑顔を向ける。
 「そうだね、志保は強いからどこへ行っても大丈夫だよね」
 不安を誤魔化すように明美はそう言って志保をギュッと抱き締めた。
 二人の様子からどうやら近いうちに志保が明美と離れ、アメリカへ行くらしいと優作は察した。「飛行機を見に来た」と言ったのは志保がアメリカへ乗って行くはずの飛行機を二人で見に来たという意味だろう。この仲の良い姉妹が離れ離れになってしまうのは可哀想だが、何か家庭の事情でもあるのかもしれない。
 「大丈夫だよ。君達がお互いに自分の事を大切に想っている人がいる事を忘れなければどこにいてもどんな時でもね」
 そんな自分の言葉に嬉しそうに笑った姉妹の表情は双子のようにそっくりだった。
 

 「おじさんの息子さんっていくつなの?」
 「ちょっと待ってて」と明美が売店の方へと走って行くのを見送りながら志保が尋ねて来た。志保の方から話し掛けて来るのは初めてで、少し打ち解けて来た事が優作は嬉しかった。
 「3歳になったところさ。生意気盛りでね」
 「ふーん。志保の方が少しだけお姉さんだ」
 「もう少ししたらここに来るから会ってみるかい?」
 「ううん、お姉ちゃん以外の人と話す事ってあんまりないからちょっと怖い」
 感情を込めずにさらりと言った言葉に優作は引っ掛かるものを感じた。志保の言葉を素直に受け止めると、この子には明美以外に家族がいない事になる。しかし、幼い志保にさすがに両親はいないのかなどとは聞けない。志保はそんな優作の気持ちを察したのか、
 「気にしないで。志保にはお姉ちゃんがいるからいいの」
 と、安心させるように微笑んだ。しかし、先程からの話だと志保は近いうちにアメリカへ行ってしまうのではないだろうか?
 「もうすぐ離れ離れになっちゃうけど、志保がアメリカで頑張ればすぐにまた一緒に暮らせるようになるんだって」
 「だから平気」志保はそう続けると、風に乗ろうと飛び立った海鳥を視線で追った。
 「そうかい。早くまた一緒に居られるようになるといいね」
 「うん。お姉ちゃんには今までずっと守ってもらってきたから、今度は志保が頑張って守ってあげるの」
 幼い顔に似合わない張り詰めた志保の表情に優作の眉根が寄った。
 「でも志保君があんまり頑張りすぎると明美君が心配するぞ?」
 「志保、いつもお姉ちゃんに頼ってばかりだったから……だから今度は志保がお姉ちゃんの為に頑張るんだ」
 顔を上げた志保の姉を守ろうという意思に満ちた真っ直ぐな視線を受け止め、優作はその小さな身体をゆっくりと抱き上げた。
 「ちょっと、何するの!?」
 突然の事に驚き、もがく志保を膝に乗せて後ろから抱き締める。
 「志保君、君は誰かに頼る事を覚えなさい。他の大人にも、勿論、明美君にもだ。こうして私に背中を預けていると楽だろう?私も君を抱いていると温かい。いいかい?誰かが自分を頼ってくれるという事はとても嬉しい事なんだ。明美君もきっとそう思っている。頼るという事はその人に迷惑をかける事では決してないんだからね」
 少々難しかったかな?とその瞳を覗き込むと、志保は小さく頷いてゆっくりと背中を優作に預けて来た。
 少しの間、黙って二人で海を眺めていると小さな寝息が聞こえて来た。見ると志保が気持ち良さそうに眠っている。優作は志保が風邪をひかないよう、ジャケットを彼女の小さな身体に被せた。
 ちょうどその時、売店に行っていた明美が「ただいま!」と息を切らせて戻って来た。明美は優作の腕の中で眠る志保の姿に嬉しそうに微笑むと、優作の横に座って小さな声で話し出した。
 「志保が私以外の人にこんなに甘えるなんて初めて。おじさん、ありがとう」
 「いやいや、私も息子しかいないからこんな可愛い女の子が欲しくなってきたよ」
 ニッコリ笑ってそう答えると、明美も志保の顔を眺めながら微笑んだ。 
 「それで?何を買って来たんだい?」
 「カメラ。私達二人で写真を撮ってもらった事ってないからおじさんに撮ってもらえないかなと思って」
 明美が使い捨てカメラを取り出しながらそう言うと優作は二つ返事で引き受けた。
 「あと…変な事頼んでいい?」
 「なんだい?」
 「その撮った写真をおじさんに預かってて欲しいの」
 明美からの妙な申し出に優作が理由を尋ねると、
 「詳しい事は言えないんだけど、明日、志保はアメリカへ行く事になってて……だから私達がいつかまた一緒に暮らせるようになったらおじさんの所に写真を取りに行きたいの」
 明美の真剣な表情から決意が見て取れて優作は引き受ける事にした。些か奇妙な頼み事だが少しでもこの姉妹の手助けになりたかった。
 「つまり私は君達姉妹のタイムカプセルの管理人という事だね?」
 そう言って片目を瞑りながら手を差し出すと明美は頷いてその手を握り返した。
 その後、姉妹の写真を数枚撮って別れ際に優作は使い捨てカメラを明美から預かったのだった。


 「それじゃあ優作さんがあの時の……」
 話を聞き終わった哀は驚きのあまり言葉が続かないようだった。
 「どうやら君も覚えてくれていたようだね」 
 そう言って優作はポケットから小さな封筒を取り出した。少し色褪せて年月を感じさせるそれはまさしくタイムカプセルのようだった。
 受け取った視線の先で優作が頷くのを見て哀は震える指先で数枚の写真を取り出した。十年若返った今よりも更に幼い自分が長い黒髪の少女、明美に手を握られてぎこちない笑顔を浮かべている。他には明美の膝枕で気持ち良さそうに眠っている自分や海を眺めている明美とのツーショット。いつも一緒で一番幸せだった頃の二人の姿が確かに残されていた。
 「……お姉ちゃん」
 搾り出すような声が哀の口から漏れる。
 ――いつか一緒に暮らせるように
 ――お姉ちゃんを守れるように
 妹はそのためだけに頑張って生きて来た。それはあの幸せだった時間を取り戻すためだった。
 ――いつか二人で自由になるために
 ――志保をあの泥沼から助け出すために
 姉はそのために全てに目を瞑って色々なものを切り捨てて来た。全てはあの頃を取り戻すためだった。
 それなのに互いの想いが互いを追い詰め、そして明美の死という最悪の結末を迎えてしまった。 
 哀の瞳から大粒の涙が落ちる。声にならない嗚咽に身を震わせる彼女の小さな身体を優作はゆっくり抱き上げた。驚いたように自分の顔を見上げる彼女に穏やかに微笑むと、膝に座らせて後ろから抱き締める。
 「私は君達姉妹がどんな想いで生きて来たか少しは理解できるつもりだ」
 優作が静かに語り出すと哀の肩がピクリと震えた。
 「新一が小さくなったのは君のせいではない。少なくとも私はそう思っているよ。それに明美君のために一生懸命頑張って来た君が新一のために全身全霊をかけて作ってくれた解毒剤を疑うつもりもない。それだけはまず言っておきたい」
 「……」
 俯いている哀の沈黙を肯定と取ったのか、優作は哀の身体を引いて背中を自分に凭せ掛けた。
 「それから君は解毒剤を飲むかどうかまだ決めかねているらしいが、私はどちらでも良いと思うんだ」
 予想外の話に驚いた哀が優作の顔を見上げると、優作は哀の頭に大きな手を置いて静かに続けた。
 「どちらを選択するのも君の自由だが、それより君はもっと誰かを頼りなさい。博士や新一、勿論私達も。昔、明美君に背中を預けたように私達に背中を預けなさい。今の君はあの頃の君が望んだ君ではないだろう。だからこそ私達は君が新しい未来を掴むために協力したいんだよ」
 そしてあの時のようにゆっくりと哀の柔らかい髪を撫でた。哀の瞳からますます涙が零れる。たまらず哀は振り返って優作の胸にすがりつき泣きじゃくった。


 組織を潰してようやく手に入れた自由。なのに自分の横に一番居て欲しかった人の姿は無い。どれだけ願ってももう二度とあの日々を取り戻せないという喪失感。
 しかし、あの幸せな時間を切り取った写真と邂逅して、あの時と同じ優しい人の腕の中で安心感に包まれて、過去には戻れないけれど今の自分には未来がある事を実感できた。
 ――もしかしたらお姉ちゃんが私の為にこんな仕掛けを用意してくれていたの?
 そんな思いがふと哀の頭に浮かんだ。母の想いが一杯詰まったテープ、決して見る事はないだろうと思っていた幼い頃の姉と自分の写真、明美が残してくれたものは今でも哀に力をくれる。形は変わってしまったが、哀はいつでも明美の優しさを感じる事ができた。
 「……優作さんの言うとおりでしたね」
 顔を上げてそう呟く哀に優作は訝しげな視線を向ける。
 「私を大切に想ってくれる人がいるから……私はどこにいてもどんな時でも大丈夫です」
 そう言って照れたように笑う哀の表情はあの日の志保と同じ笑顔で、優作も穏やかに微笑んで頷いた。 



あとがき



 2008年の「宮野の日」企画様に投稿した作品です。
 宮野姉妹と工藤優作というかなり珍しい取り合わせになりました。子供の頃の志保と新一が会うという設定は見た事があるので優作を出したところ、さすが優作さん、美味しいところは全部持っていってくれました。
 実は小さい時の宮野姉妹を書くのはこれで二度目ですが、どうやら私はお姉ちゃんに甘えるチビ志保ちゃんが好きな事に今更ながら気付きました。