Epilogue



深夜の毛利探偵事務所。小五郎と蘭が寝静まった後、コナンは一人テレビゲームと格闘していた。何だかんだ言ってもバカにされるのは悔しい損な性格である。
その時、ふいにイヤリング型携帯電話が鳴った。
「……んだよ、こんな時間に」
コナンはゲームコントローラーを床に置くと電話に出た。
「……もしもし」
「あ、新ちゃん、わ・た・しv」
「何だ、母さんか」
「何だとは失礼ね」
「急にどうしたんだよ?また父さんとケンカでもしたのか?」
「ねえ、新ちゃん、一体どういう事?」
「は…?」
コナンには話の筋がまったく見えない。
「優作ったら、帰って来るなり変な事言うのよ」
「変な事?」
「『新一のヤツも隅に置けないな』って。ニヤニヤ笑って。いくら私が聞いても教えてくれないんだから。何?また二人で私に隠し事してる訳?」
「隠し事って…オレも父さんも別に……」
「……まあいいわ。また近いうちに日本に来るから。その時尻尾は掴ませてもらうわよ」
有希子はそれだけ言うと一方的に電話を切ってしまった。
「……」
コナンは「一体何だってんだよ」と呟くとハアッと大きな溜息をついた。